気に食わないラーメン屋
時々外に飯を食いに行って不愉快になることがある。
最初に書いておかなければならないのは自分は気が長いほうではない。
我がホームグラウンド尾道には尾道ラーメンという食の名物がある。
ここ数年で完全に観光地と化したこの小さな街では週末には外人を含めた観光客がわりとうろついている。
尾道の名物とあってラーメン屋には行列ができていることもさほど珍しいことでもなくなった。
尾道のラーメン屋はこの流れには感謝すべきだ。
ところがちらほら調子に乗ってるのか?と思わせるような店もある。
客に対しての対応が上から目線なのは自分達からしたら職人かたぎな俺らかっこいい位に思ってるのかどうかは知らんけれども、そもそもラーメン屋というのは接客業だろうがこの馬鹿、客に感謝し謙虚に振る舞えよ、とついつい思ってしまうものだから、先日も一口も食わずに金だけ払って出た。
さすがに狼狽えた店の者がこの時になってようやくそれまでの雑な物言いを改め、「あの、どうかしましたでしょうか…」と、来るわけだ。
そこで
「でかい態度をとられてまで食いたいと思うほどのものではない、悪いけど。」
と返してさっさと店を出た。
そこのラーメンはまずくはない。
しかし偉そうな態度にこちらが気を使わされながらも食いたいと思うほどのものではない。
それに自分の価値観から言うと、品物よりもそれを作る人に金を払っているというのがあるから、お客としての自分に感謝してくれているそぶりが見えれば気持ちよくこちらも感謝しながら金を払いたく思うが、そうじゃなく、俺が作ったものを食わしてやってる的な態度の人間には本来ならばビタ一文払いたくもないのである。
なんかね、ラーメンつくるしか能がないんならば、表に出ずに厨房に仕切りでも作って、接客は愛想の良い可愛い姉ちゃんか、おばちゃんにでも任せるべきだし、それが不可能ならば、接客のイロハもちゃんと学んだらどうなんだこの野郎とかついつい思っちゃうわけなんだよね。
まぁ、それでも自分と違って心が広く、器のでかい観光客の方々はそういうのは気にならないみたいだから自分がその店に行かなければいいだけの話なんだけどもね(笑)
それよりも愛想の良い変な緊張感が漂っていない感謝して金を払えるラーメン屋を2、3発見したので、ラーメンが食いたくなったらそこに行こうと思っている。
あーいやだいやだ。
自分の心の狭さにはつくづくがっかりするよ。
しかーし。
ああいう態度が世間で認められるんならば、自分の心の狭さも認めてもらわなくてはならないと思うから特にそういうのを改めるつもりはないのである。
世の中には色んな人間がいるから面白い。
あのラーメン屋のじじぃは嫌いだけど、そんなじじぃもいてこそのこの浮き世であることを認めなくては自分も認めてはもらえない。