よろず無駄無し屋

出たとこ勝負な文章ゆえの生々しさ

せかせかしてしまいがちな現代には

朝からしとしと雨が降り続いている。

おそらく春にまた一歩近づくのに違いない。今日はしっとりとした時間が流れている。

こんな日もたまには悪くない。しとしとな雨はどこか心を落ち着かせる効果があるようだ。人間の心理は環境に左右されることを実感する。

こんな雨の日だからこそ書ける文章があるのではないかと頭を捻る。落ち着いた心理状態で書ける文章といえば、さて、どんなものが出てくるか

 

明鏡止水という言葉が浮かんできた。意味はすみきって落ち着いた心の状態というような感じだ。

日々の暮らしは色々な意味で速度が速く、ついせかせかしてしまいがちだ。せかせかしてしまっていることに気づいてはいながらも、そこに歯止めをきかすことがなかなかできないでいる。

そういう状態を野放しにしていると、まぁ大体良い結果にはならないもんだ。忘れ物をしてみたり、あらゆる面が雑になったり、大事なものを見落としたりと、ろくなことがないはずである。

せかせかする理由は、単純だ。早くゴールにたどり着きたいという願望が根っこにある。その気持ちは解る。期限というものには非常にシビアな現代だ。時間に追いたてられるのはもはや通常運転と化している。つい焦ってせかせかしてしまうのも無理もない。

しかし、焦って先に書いたような、忘れや雑さ、見落としなどが頻発すると、かえってゴールは遠くなる。いわば本末転倒ということになってしまうのである。

わかっちゃいるけどとめられない、というようななんとも歯がゆい状態の時には、明鏡止水という言葉を思い出してみるのはどうだろう。それこそ念仏のように心の中で何回も唱えてみる。

唱えているうちに心が澄んできておちついてくるかもしれない。

時間でいうと、ほんの30秒でいい。もしこれで落ち着きを取り戻せたとしたらゴールが近くなる可能性は大きい。落ち着きは判断を誤らせない。判断を誤らないということはミスがない。ミスがないということは無駄足を踏まなくてよい。無駄足を踏まなくてよくなれば、自ずとゴールにたどり着くのが早くなる。せかせかする必要はないのである

せっかくある素晴らしい言葉たちを利用しない手はない。自分が焦ってるな、と感じた時は是非この明鏡止水という言葉と意味を思い出し、心の中で唱えてみてください。マントラの如くに。