ふみふみ
我が家にはもともとが野良の出である白黒八割れな猫がいる。
猫は本当に自由気ままな生き物だ。
自分の欲望にかくもあからさまで潔く、もはや一種の清々しさすら漂わせることのできる生物がこの地球上にほかにいようものかとさえ思わせるポテンシャルをまざまざと見せつけてくる。
と、いうか押しつけてくる。
迷惑極まりないその自由奔放傍若無人ぶりには開いた口もふさがりようがないのだが、それでも、まぁ猫だから…の一言でカタがつくところにコイツらのつよみがある。
可愛いのは間違いない。
確かに可愛いというのは認めるよ。
あのふみふみとかな。
ふみふみふみふみ一生懸命にやってるとこなんかいいよ。
応援してやりたくさえなるよ。
やたらとリズミカルだしな。
体を小刻みに揺らすその様はまるで背中を丸めて嬉しそうに銭勘定してる昔の悪徳商人のばばぁみたいだ。
まぁいいんだ。こまかいことは。どうでもね。
思う存分ふみふみに勤しめばいいさ。
一心不乱に。
だってその最中のコイツときたらすこぶる幸せそうに見えるよ。
NOふみふみNOLifeだよ、そもそも。
そんな営みを拝見してると平和だよ。
心に平和を感じさせる動物の作為のない営みはいいな。
一緒に横にならんでやってみようかな、ふみふみ。
ふみふみふみふみふみふみふみふみ。